管理者研修(初回)の振り返り 〜Pタイプリーダーの功罪〜


先週、メイン顧客に対する研修プログラムの1stフェーズがあった。


HRD(人材開発)のプロとして望んだ初めての研修。


いろいろ不安もあったものの、関係者(講師、顧客人事担当者、会場担当者、受講者)との情報共有など、
事前の段取りを相当丁寧にやった甲斐もあり、大きなトラブルなく無事に終えることができた。


滅多に人を誉めない顧客のPJオーナー(発注者)からも、お誉めの言葉をいただくことができ、
初回研修としては合格点だったと感じている。


今回自分の役回りは事務局担当としての当日アテンド。
基本的には運営業務に専念すればよい立場だが、受講者への個別フォローを充実させる観点から、
いくつかのワークをサブファシリテーターとしてサポートすることになり、
それもまた、受講者やPJオーナーの満足度を高めることにつながったようである。


顧客満足度を意識した臨機応変な対応や、自分ができることを最大限発揮しようという姿勢が
やはり大事なんだなと実感させられた。


講師、テキスト、ワークなど、プログラム内容やその実施については、
非常に良いものが提供できたと感じているが、
その中で問題に感じたのが「リーダーシップの中で生まれる場の空気」だ。


具体的な現象は以下の通りである。


1.講師は、明るさと優しさといった持ち味を使いながら、受講者のレベルや特徴に合わせて研修カリキュラムを進行。
  ↓
2.受講者は、途中のワーク等に苦戦しながらも、素直に講師の進行についてくる。
 しかし、最終の個人ワークで当初PJオーナーが期待していたようなアウトプットが出てこない。
  ↓
3.講師は、受講者のレベルに合わせてあえて厳しいスタンスは取らずに、丁寧にじっくり進める。
  ↓
4.受講者は、悪戦苦闘しながらも、なんとかアウトプットを出そうとついてくる。
 しかし、多くの受講者は、なかなか課題のポイントを理解できない。。
  ↓
5.PJオーナーとして後ろで見ていた企画課長が、業を煮やしてワークに本格カットイン!
  受講者一人一人に厳しいフィードバックを行い、できていないことをロジカルに詰めていく。
  ↓
6.一部受講者は企画課長に反論するも、P(論理軸)に基づいて論破されて意気消沈。
 それを見て周りの受講者も委縮。企画課長に突っ込まれないように無難な発表が続く。
  ↓
7.その後のワークで、一部受講者が大幅にモチベーションダウン。後ろ向き発言を連発。
 疲れた空気の中でカリキュラムが進む。
  ↓  
8.講師が、受講者同士でジャンケンさせて、負けたほうが勝ったほうに肩もみをさせるワークを実施!
  ↓
9.受講者同士緊張感がほぐれ、モチベーションを一部取り戻す。
 ただし、皆の前で厳しく論破された受講者は表情が硬いまま。
  ↓
10.再び講師主体で進め、全体的には空気を明るくした中で研修終了。


上記流れを見てもわかるように、
★によって、場の空気がガラッと変わったのである。


企画課長は非常に頭の回転が速い切れ者で、ロジカル受講者の論理性のなさを指摘していった。
受講者のロジカルシンキングを高めようという意図で行ったものだとは思うが、
その後の空気の沈み方を考えると、やはりいただけなかった。


P(課題軸)のリーダーシップがどんなに強くても、
M(人間軸)でのリーダーシップが欠けていると、よい結果は出ない
ということを強く実感した。


ハードルは高いが、やはりPM(ラージP・ラージM)型のリーダーを目指したいと思う。[[]]