12人の怒れる男 〜組織開発・リーダーシップに関連して〜

TSUTAYAで久々にDVDを借りて、映画を見た。

タイトルは12人の怒れる男

シドニー・ルメット監督、ヘンリー・フォンダ主演で、1957年に制作された、陪審員映画の名作である。


この映画は、MBA等における「組織開発」「リーダーシップ」の教材として有名で、
今回は「リーダーシップ」について学ぶインプットとして鑑賞した。
(なお、本著は前述の「リーダーシップ入門」にも取り上げられている)


感想は、一言で「圧巻」


12人の陪審員それぞれに個性があり、
個人の感情の変化や、陪審員審議という「場」における空気の変化が
非常に見事に描かれていた。


画面は白黒。
内容は、小さな会議室で男12人がひとつの事件の審議(有罪か無罪か)について話し合っているだけ。
派手なアクションも、美男美女の出演も、特徴的なカット割もないのに、
最後まで「目が離せない」映画だった。


今年日本でも始まった陪審員制度を考えるうえでも、学ぶことは大きい映画だし、
単純に「法廷映画」としての完成度も高いと思う。


「リーダーシップ」という観点で言うと、
課題提示型の「自然発生的リーダー」の実例として非常に気づきが多かった。


主演のヘンリー・フォンダが「11人有罪:1人無罪(自分のみ)」という苦しい状況から、
一人一人に「有罪であることを説明してほしい」というスタンスで、
「●●は、・・・という点で有罪とは言い切れない」というように、
周囲に一つ一つ疑問を提示していくことで、
最初は感情的に"なんとなく「有罪」"と考えていた周囲の陪審員を、
ロジカルなアプローチにより、一人ひとり"無罪"という判断に覆していく様は、
まさに機能するPタイプのリーダーの姿だった。


本作のパロディとして、三谷幸喜脚本、豊川悦司主演の12人の優しい日本人という映画もあり、
そちらは、日本人の組織を考えるうえでも、また、日本における陪審員制度を考えるうえでも示唆があるとのこと。

12人の優しい日本人 [DVD]

12人の優しい日本人 [DVD]


今度はこっちも借りてみたいと思う。