ヤマアラシのジレンマ 〜心理学から見た組織の人間関係論〜


今日もキャリアカウンセラー継続学習の一環で、BBTの講義を視聴した。


テーマは、心理学から見た組織の人間関係論

内容は、人間関係に関する心理学研究の事例(理論・フレーム)を紹介しながら、
企業内において、「人間関係」が持つポジティブ側面とネガティブ側面について考えるというもの。


その中で特に印象に残ったのが、「ヤマアラシのジレンマ」


ヤマアラシのジレンマは、哲学者ショーペンハウエルの寓話を元にフロイトが考えた人間関係についての例え話。


ヤマアラシは一匹だと寒いから、他のヤマアラシとくっつこうとする。
しかし、くっつくと針が刺さって痛いから離れようとする。(くっつけない)
くっつきたいのにくっつけない、離れたいのに離れられない。というジレンマが人間関係に似ているというものだ。

要は、ヤマアラシと同じように、人間関係も、相手によって「針の長さ(痛いと感じる距離)」が違う中で、それぞれの距離感を覚えていって、適度な距離感を保って付き合うことが求められているということ。


人間関係の基本は、「社会的存在としての人間」と「独自ある個性としての人間」がぶつかり合うことにあるというもの。
過度に周囲(集団)にくっつきすぎると独自ある個性としての人間が弱くなり、
逆に、過度に個性を主張過ぎると、社会的存在として機能することが難しくなる。


適度な人間関係の距離感を見極めるることが、会社で成果を出すうえでも非常に重要だが、
それがとても難しく、面倒くさい作業になっているのが今の社会。


少しでも上手に他人との距離感を見極められるよう、
まずは自分自身の「針の長さ」を把握して、できるだけ柔軟に伸縮できるようにしていきたい。