1分間リーダーシップ 能力とヤル気に即した4つの実践指導法


先月行った、顧客企業向けのリーダー研修の課題図書について、
今更ながら書評を記しておきたい。
これは、リーダーシップ本の定番ながら、やはり良書だと思う。

オススメポイント
★短い時間で興味深く読める。
★シンプルでわかりやすい。
★具体的な気づきが多い。


顧客企業のリーダー研修の課題図書として指定した書籍。
リーダーシップの入門書籍として良書である。

内容はまさにタイトルの通りで、
相手の能力とやる気に合わせたリーダーシップの在り方について、
非常にシンプルにわかりやすく描かれている。

ある部下に対してはリーダーシップが発揮できているが、
別の部下に対してはうまく発揮できていない。とか、
前職ではリーダーとして活躍できたのに、
転職したら、同じやり方が全く通用しなくて困っている。
などといった人は、この本から少なからずヒントを得られるのではないだろうか。


以下は本書の重要フレーズ。

・「より懸命(ハード)に働くな。より賢明(スマート)に働け。」

・「違った相手には違ったふれ方(ストローク)を。」

・状況対応型リーダーになるには3つのスキルが必要。
1)リーダーシップスタイルを柔軟に使い分ける「柔軟性」
2)部下たちの要求(ニーズ)を診断する「診断力」
3)部下たちと何らかの合意を取り付ける方法を知る「取り決め」

・4つの基本的なリーダーシップ・スタイル
S1「指示型」  指示的行動:多&援助的行動:少
S2「コーチ型」 指示的行動:多&援助的行動:多
S3「援助型」  指示的行動:少&援助的行動:多
S4「委任型」  指示的行動:少&援助的行動:少

・「平等でないものを平等に扱うことほど不平等なことはない」

・発達の四段階
 D1  能力:低&やる気:高 → S1が適切
 D2  能力:中&やる気:低 → S2が適切
 D3  能力:高&やる気:まちまち → S3が適切
 D4  能力:高&やる気:高 → S4が適切

・「より多い検査でより多くの期待を」

・「部下が訓練する場合、誉めること以上に、自分がミスしたことを進んで認める必要がある」

・「状況対応型リーダーシップとは、部下に対して何をするかではない。部下と一緒に何をするかである。」
→S1−S4のどのスタイルで部下に対応するかということ、また、そうする理由はなぜかを、部下と共有することが大事である。(勝手に決め付けて、説明せずにやるべきではない)

・目標設定はSMARTに。
 S:Specific(具体的な)
 M:Measurable(測定可能な)
 A:Attainable(達成可能)
 R:Relevant(適切な関連がある)
 T:Trackable(追跡可能)

・目標設定の際、部下と上司のどちらが先に話をするかをまず合意しておくこと。(上司が勝手に話して時間を使わない。お互いに話を聞くように!)

・適切なリーダーシップスタイルについて、定期的に部下と話し合う(取り決めをする)こと。(固定的なスタイルで接し続ければよいわけではない)


やはり金言が多い書籍だと思う。